2011年6月アーカイブ

6月29日 モダン・アート三昧

 数日前まで高関健指揮/札幌交響楽団とバーンスタインの「セレナード」を共演するため、札幌に滞在していました。雨が降ったり、曇ってどんよりすることも多かったけれど、最後の数日などは晴れ間も多く、それでも日中の最高気温が15度から17度くらいという、東京に暮らす者には信じられない過ごしやすさです。
 東京から聴きに来てくださった知人が、コンサート翌日札幌近郊を色々と案内してくれました。その中でも幻想的だったのが、夕暮れの「モエレ沼公園」。基本設計は1988年にこの地を初めて訪れたイサム・ノグチで、これは彼の最後の作品。ピラミッドや小高い山や、森や噴水などが広大な敷地に点在していて、かつてはゴミの埋立地だったところが、美しくモダンなプレイグラウンドになり、宇宙的な広がりを意識させる空間へと変貌を遂げました。ガラスのピラミッドの脇から撮った夕暮れの空の写真を添付します。

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 5月半ばから6月前半は久しぶりにニューヨークで数週間を過ごしましたが、東京へ発つ前の日、ヴァイオリニストの木村まりさんとパーク・アヴェニューで行われていたRyoji Ikedaの展覧会へ。ジュリアード時代にフックス門下でご一緒した木村まりさんは、電子音楽や、それに伴う新しいヴァイオリンの奏法などを積極的に編み出していて、現代音楽の大家として今はジュリアード音楽院で教えています。ランチの後、まりさんに誘われて現代電子音楽の作曲家、池田亮司さんの作品「Transfinite」を見にパーク・アヴェニューのArmoryへ。床と一体化した巨大なスクリーンに流れる白黒の横シマシマの不思議な映像の流れと電子音の組み合わせ。これも宇宙的で非日常的空間でした。

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http://www.armoryonpark.org/index.php/press/news/

そういえば先月25日に発売になった、新実徳英氏のヴァイオリン協奏曲第2番「スピラ・ヴィターリス」も、宇宙的な力の存在を意識させる作品です。2009年11月に仙台の青年文化センターで仙台フィルと梅田氏の指揮で世界初演したもののライヴ録音CDで、既に色々なところで高評価をいただいていて嬉しく思っています。ニュースの欄でも批評をいくつか紹介していますので、ご覧ください。




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