車いすコンサート

先月の21日にサントリーホール ブルーローズで行われた「車いす利用者のための室内楽演奏会」。今年もプログラムの選曲と演奏を担当し、館長でチェリストの堤剛さん、ピアニスト練木繁夫さんに参加いただいて、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ第2楽章、ショパンのバラード第2番、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏第1番、コダーイの二重奏第1楽章、ブラームスのピアノ三重奏第1番の1楽章を演奏しました。4年前の第1回の時は、都立特別支援学校の生徒・保護者・教職員の方々51名の参加でしたが、毎年参加人数が増え、昨年は144名、今年はそれ以上の人数で鑑賞してくださいました。加えて今年は日本音楽財団のご協力のもと、一般の車いす利用者の方にも対象を広げ、1日2公演を開催しました。写真提供:サントリーホール

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ゲルネの「冬の旅」

今日はサントリーホールでマティアス・ゲルネの歌うシューベルトの「冬の旅」。この作品は、私の秋田での集中講義でも、必ず最後の締めくくりに取り上げています。ピアニストはマルクス・ヒンターホイザー。今日の演奏では取り分け15曲目の「カラス」から後、最後まで感銘を受けました。特に23曲目「幻の太陽」から最後の「辻音楽師」へは全く休みなしに繋がった曲のようにピアノが入り、ゲルネさんも繰り返し現れる単純なメロディを、ピアノの左手の5度の和音が打たれる毎に少しブレスを入れて、感情を絞り出すような歌い方。冬の旅の主人公の絶望感を美しい弱音で味わいました。最後の音が消えた後、願わくば10秒間はこの素晴らしいインタプリテーションがもたらしてくれた絶望感に静かに浸っていたかった!
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学生音コン&プレスラーさん

昨日までの2日間、サントリーのブルーローズで行われた第71回全日本学生音楽コンクールのヴァイオリン部門本選の審査員を務めました。両日ともあいにくの雨模様、それでも特に小学校の部には多くの観客が来場。小学校と中学校の1位は、予選から安定した演奏で本選でも点数も高く優勝。今後の成長が楽しみであると同時に、このまま順調に伸びていって欲しいと強く願わずにいられません。他にも個性ある演奏やこれからグッと伸びそうな才能もあり、楽しみです。中学と高校は、それぞれヴィオッティとパガニーニの協奏曲という課題曲。これは、フレーズを歌手のように歌うことと音色に変化をつけること、その結果音でイタリアオペラ的なドラマを演出することを求められるプログラムでしたから、その辺りをしっかりと考えて演奏しているかどうかがはっきり分かってしまいます。上手に表現出来ている人もいましたが、やはり音楽の根本である歌やオペラをもっと日常的に聴いて欲しいと思いました。


コンクールの審査後、隣の大ホールに移り、93歳の室内楽の巨匠ピアニスト、メナヘム・プレスラーのリサイタルを聴きました。最初の一音が鳴り響いた瞬間から、自分の呼吸も聞こえそうな程研ぎ澄まされた集中力で聞き入る聴衆。ステージを歩くのにも杖と人のアシストが必要な93歳の弱々しい体の中に、信じられないような豊かな世界が存在することに驚嘆、アンコールのショパンのノクターンとドビュッシーの「月の光」では涙腺が緩む人も多かったようです。(私もその1人でした!)


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第71回全日本学生音コン予選審査vol.2

 今日は朝から快晴で気持ちの良い日曜日。外出を楽しむには打ってつけの日和でしたが、昨日に続き、東京オペラシティで全日本学生音楽コンクール東京大会中学生の部の予選2日目の審査。2日間で82名がバッハのサラバンドとパガニーニのカプリス3曲の中から任意の一曲を演奏、結果16名が10月の本選に進むことになりました。その前の3日間は、小学校と高校の部でしたので、中学生が体格的にも精神的にも、大切な進化の時期であることを実感させられました。

 バッハとパガニーニは、無伴奏曲としてコンクールでは避けて通れない曲で、双方異なった技術を要求されるのですが、数名は両方の音楽的な特徴をよく捉えて、技術的にもバランスよく演奏していたので嬉しく思いました。

 それにしても連日の審査で疲れが溜まっていたせいでしょうか。今日は大きな音で長々と調弦する人が多いのが気になりました。調弦は、演奏を始める前にステージの響きに少しでも慣れておきたい思いで、必要以上に長くしてしまいがちですが、余り長いと印象がよくありません。大きな音など論外。弓の先の方で、そっと響きを確認しながらの方が、より正確に合わせられます。何れにしても、ステージの上では全てが見られていることを忘れずに。本選はヴィオッティの協奏曲ですが、音でドラマを創出できるかどうかが、大事な要素になりそうですね。


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第71回全日本学生音コン予選審査 vol.1

 昨日から二日間、オペラシティのリサイタルホールで全日本学生音楽コンクール東京大会の高校の部の審査員を務めました。80名がバッハのパルティータ第2番のサラバンドを含む2つの楽章(シャコンヌは含まず)を演奏、うち11名が10月の本選へと進むことになりました。

 バッハは素晴らしい「無伴奏ヴァイオリンのための6曲のソナタとパルティータ」を残していて、ヴァイオリニストにとっては生涯通しての課題であり目的であり、同時に心の友でもある訳ですが、学生に取っては苦手な作品の筆頭になるのかもしれません。参加者には審査員がそれぞれワンポイントアドヴァイスを書きましたので、私の気持ちも参加者に伝わっていることと思います。

 パルティータはそれぞれの楽章が特徴をもったバロック・ダンスですから、やはり舞曲としての特徴を理解し、そのパルスを、楽章を通して一貫して感じさせなければなりません。それと、和声的進行を理解し、それを音質に映し出すこと。ストレスを感じさせる和声と、そこから解放してほっとさせてくれる和声、その関係性を演奏で明確に示していくこと。このことさえ分かっていれば、音楽的な流れが自然に立ち現れてくるのです。何人かの演奏は、非常に音楽的で嬉しい気持ちになりました。

 本選は打って変わってパガニーニの協奏曲、でも音楽的な本質は変わりません。後はそこに観客を「魅せる」というヴァイオリニスティックな要素が加わってくるだけです。バッハの後、どんなパガニーニで魅せてくれるか、楽しみにしましょう。


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2017.08.02 国際教養大学のお話し

私のブログ担当も最終日になりました。

今日は、私が特任教授として毎年集中講義を行っている秋田の国際教養大学についてお話ししようと思います。

 

国際教養大学は2004年に秋田に開学、すべての授業を英語で行い、学生には1年間の留学を義務づけることで注目を集めています。大学のランキングでもいつも高い位置をキープしています。音楽科はない大学ですので、一般教養としての音楽を、「音楽と演奏」というタイトルのもと、演奏も含めたレクチャーという形で毎年一学期、教えています。

今年は、私の秋の演奏スケジュールが忙しくなったので、例年行っている秋学期に教えることはせず、春学期に2時間の講義を19回行いました。

 

6月の末に、二夜連続の公開講座を、初めての試みとしてプロデュースしました。シリーズ1日目は、ジュリアード時代の同期で、現代音楽のスペシャリスト、ピアニストの朝川万里さんによるアメリカの現代音楽について演奏とレクチャー。エリオット・カーターのピアノ作品を中心に、アメリカ現代音楽の流れを辿る試み。2日目は、私が講義を行っている音楽室をサロン風のセッティングに作り、ピアニストの坂野伊都子さんを伴奏者に招いて、私の新譜"AIR&DANCE on Violin"から12曲を取り上げ、レクチャーを交えながら演奏。演奏後はスイーツと私持参のコーヒーマシーンで本格的なコーヒーも提供し、皆さんとの会話を楽しみながら、サロン形式のコンサートを体験してもらいました。

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国際教養大学での一般の学生向けの14年間の講義の経験は、私が2011年からプロデュースしている「青少年のためのレクチャーコンサート」や、東京の白寿ホールで2015年から大人向けに展開している「レクチャーコンサート」として実っています。今年の秋から冬にかけては、4月にオープンしたばかりの浦安音楽ホールでも「青少年のためのレクチャーコンサート」のシリーズを開始しますし、白寿と青葉台のフィリアホールが連携した形で行う大人向けのレクチャーコンサートも予定しています。

 

9月に仙台で皆様にお目にかかれることを、楽しみにしています。

 

渡辺玲子

2017.08.01 ドレスのお話し

演奏家にとって、演奏会用のドレスは衣装であり、仕事着でもあります。

やはり着ていて動きやすく、演奏の邪魔にならないもので、色彩やスタイルが演奏曲のイメージに合致していて、且つ、演出したい「私」のイメージにもあったものでなければなりません。それに、年齢によっても似合うスタイルは自然に変わってきます。

25才の時に着ていたものが、45才で似合うはずもありません。

 

私の場合、「つるし」で買うもの、仕立ててもらうもの、この二種類の方法でドレスを選んでいます。今の若い学生に「つるし」と言っても通じないことが多いのですが、いわゆる既製服、プレタポルテです。

 

仕立てていただくのは、20代の時から一人の方にずっとお願いしていますが、先日、20年前に作ったコンサート・ドレスの何着かをリメイクしていただきました。ここに、20年前の写真と、現在のリメイクしたものを着た写真を両方掲載いたしますね。

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やはり数の少ない、特別な生地を使って作っていただいたドレスですから、すべて解いて作り変えるとまた息を吹き返し、まるで私と一緒に成長し、生きてくれている気持ちになります。一着のドレスと形を変えながらこのような長いお付き合いができるのも、演奏家人生の喜びの一つです。

 

渡辺玲子

2017.07.31 CDのお話し

今年もせんくらに出演できること、とても楽しみにしています。

 

ブログ担当、第1日目はこの春にリリースしたばかりの新譜"AIR&DANCE on Violin"についてお話ししたいと思います。

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嬉しいことに、先日発表された「第10回CDショップ大賞」2018前期クラシック推薦盤にも入っていますし、「レコード芸術」6月号でも特選盤に選ばれました。19世紀半ばから20世紀半ばまでの名曲集として、音楽史の流れも俯瞰しながら、ヴァイオリン(グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」1736年製)とピアノ(ホロヴィッツ愛用の1912年製ニューヨーク・スタインウェイ)の名器の音色も楽しんでいただくというユニークな内容の1枚です。

 

今回もSACD(スーパーオーディオCD)/CDのハイブリッド盤としてリリースしていただきました。私自身、今まで良くわかっていなかったのですが、SACDはより高音質で、通常のCDとは使っているシステムが違う。ハイブリッドは2層分の録音領域のうち、一層を通常のCD層、一層をSACDとして入れてあるため、普通のCDプレーヤーでも再生可能。

私が毎年集中講義を行っている秋田の国際教養大学には、私が10年ほど前に研究費で購入したSACDプレーヤーがあり、リリース後にそれで完成盤を聴いてみました。やはり、普通のCD層で聴くときよりも、音につやがあり、なめらかさと奥行きが加わって、ヴァイオリンの音色がより立体的に再現されます。

 

実は、今回の録音に関して数人の友人から、音がいつもより少し暗めでは?少し詰まった感じがあるのでは?などとの感想ももらいました。私の家にあるCDプレーヤーではそんな印象は受けませんでしたが、再生する機械によって、実は聴こえてくる音が随分変わるということを、私自身で今回ほど強く感じたことはありません。編集しているときのレコード会社スタジオのステレオ・システム、家でそれを確認するときのステレオ・システム、大学で再生した時のシステムと、それぞれで音の印象がかなり違うのです。ですから、音質を決めるときに、比較する別のCDをいつも持ち歩き、それとの相対的な音質の比較で、色々の詳細を確認していました。因みに、先の「音が暗めなのでは?」とコメントしたお一人は、その数週間後に非常に高価なステレオ・システムが備わっているスタジオで再度私のCDを聴き、「印象が違って、素晴らしく深みのある音でした」と報告してくださいました。

 

長くなってしまいましたが、もし機会がありましたら、是非SACDプレーヤーで、私の新譜をお聴きになってみていただけたらと思います。

 

渡辺玲子

2017年6月14日 「レコーディングに寄せて」

フェイスブックを使うようになってから、このブログ欄に書くことが少なくなっていましたが、ウェブサイトのリニューアルを契機に、発信頻度を増やしていけたらと思っています。まずは、リニューアル後の第一弾として、45日にリリースした新譜「AIR&DANCE on Violin」のことを書きたいと思います。リリースから2ヵ月が経ちましたが、お陰様で「レコード芸術」の特選盤、「モーストリークラシック」「音楽現代」などの音楽誌の高い評価のほか、「オーディオアクセサリー」「ステレオ」「MJ」などのオーディオ誌のレビューでも高評価を頂いています。


5年ぶりのこのCDでは、名曲集としての選曲にも工夫を凝らし、19世紀の半ばから20世紀前半にかけての音楽史をこの1枚で俯瞰できるようなユニークなプログラミングになっています。その辺りの経緯を詳しく述べていますので、ブックレットに載せた私の文章をここに転載いたします。




レコーディングに寄せて

                           

前回の無伴奏曲集の録音から5年が経ちましたが、名曲集を録音したいとずっと頭の中で計画を温めていました。ここにようやく実現できたことを嬉しく思います。


名曲集といっても、かなりユニークな、私らしい選曲になったと自負しています。エルガーやクライスラー、ラヴェルやバルトークなど、既に多くの演奏家が録音しているポピュラーな名曲から、リヒャルト・シュトラウスやラヴェルの《子守歌》、ショスタコーヴィチの《3つの幻想的舞曲》など、一般には馴染みのない曲も含んでいます。このプログラムを作るために、私がどのような考えをたどっていったか、それを書いてみようと思います。


19世紀後半から20世紀前半のヨーロッパは変化の時代でした。18世紀末に起こったフランス革命、産業革命などにともなう社会構造の激しい変革の波を受けながら、イギリス、フランス、ハプスブルクのオーストリア=ハンガリー、そしてドイツの列強がヨーロッパの覇権を争っていました。東には強大なロシア、そしてオスマン帝国のトルコもこの争いに加わりました。長きに渡る婚姻政策によって広大な領域を支配し、ヨーロッパの中心に君臨してきたハプスブルクは、第一次世界大戦後に消滅するまでの間、多民族国家として内部の分裂に苦しみつつも、芸術面ではウィーンを中心に美しい華を咲かせます。この世紀末の時代を、今回のプログラムの出発点としました。


優雅なウィーンのワルツ、それはクライスラーの《ウィーン奇想曲》、《美しきロスマリン》に聞くことができます。同時に、ウィーンには《ジプシーの女》のように、ハンガリーやスラブの情緒も深く根を下ろしているのです。スラブ系文化圏のロシアからはチャイコフスキーの美しく抒情的な《メロディ》、同じロシアでも20世紀に入りショスタコーヴィチの《3つの幻想的舞曲》になるとフォークロア的でグロテスクな滑稽さも加わります。《ロマンス》は映画音楽用に書いたもの、そしてプロコフィエフもまた洗練された歌を聞かせてくれます。


1911年、リヒャルト・シュトラウスは世紀末的な豪華絢爛な世界を描いたオペラ「ばらの騎士」をドレスデンで初演、大成功を収めます。彼の華麗な管弦楽的色彩をヴァイオリンとピアノ用に編曲したのが《「ばらの騎士」のワルツ》です。彼の《子守歌》には、ピアノ伴奏の華やかなアルペジオと相まって、他の子守歌にはない艶やかさを感じます。


1918年にハプスブルク帝国が崩壊しますが、実はそれ以前から中のスラブ系民族やハンガリーが独立を求め、小競り合いを繰り返していました。民族独自の音楽的な表現を求める機運も高まってきました。バルトークは1906年からハンガリー王国の農民たちの歌を採取記録します。実際に記録したものから譜面に起こし、作品として完成させたのが《ルーマニア民俗舞曲》です。この録音では、西洋の記譜法では表記できないリズムの素朴な揺らぎを表現したつもりです。


《ツィガーヌ》は、ラヴェルの創造によるジプシー(ロマ)の歌です。ロマの音楽家は社会に溶け込まず、貧しい大道音楽家として生計を立てていたと思われがちですが、ロマの音楽家の中には、西洋の理論に基づいた音楽技法を学び、社会の中で成功を収めた者も多くいたようです。19世紀末にヨーロッパで大人気を博したハンガリー楽団も、実は西洋的な教育を受けた音楽家たちが、商業的な目的で作曲し演奏していましたから、当時のアメリカのジャズ楽団の多くが白人によって演奏されていたことと似ています。ですから、この作品も時代のトレンドの産物とも言えるでしょうが、ラヴェル自身はバスク人の血を引いており、ハンガリーのロマの文化に興味を持っていました。着想してから2年の歳月を費やしただけに、ご本人のお気に入りの名曲であり、ヴァイオリンの華やかさと魅力が十分に発揮されています。《フォーレの名による子守歌》もツィガーヌと同じ頃に書かれていますが、ミュートを使った音色と繊細な和声的色彩が印象深い作品です。


イギリスの作曲家エルガーの《愛のあいさつ》は、私も演奏会のアンコールによく取り上げますが、19世紀後半に書かれたのびやかで美しい名曲です。この曲集の中でも筆頭の有名曲でしょう。パガニーニの《モーゼ幻想曲》も私のお気に入り、ヴァイオリンの一番低い弦、G線だけで弾かれる超絶技巧とオペラ的な旋律美で、ガルネリ・デルジェスの低弦の魅力を存分に聞いていただけると思います。


この録音で江口玲さんの演奏しているピアノは、ホロヴィッツの使用したスタインウェイで、大変個性的な音色を持っています。このプログラムを民族的な角度から捉えるとき、この音色が一つの方向性をもった魅力を添えているのではないかと思います。例えば、ラヴェルの《ツィガーヌ》で、ヴァイオリンの独奏後に入ってくるピアノの、ツィンバロンを打ち鳴らすような独特の音色は、これまでにないイメージを創出しています。


以上のような経緯をたどって、今回のプログラムを構築、録音しました。因みに、日本では19世紀半ばの開国以来、欧米との交流が盛んになり、その後の学校教育や軍楽隊、演奏会の興隆によって、今のクラシック音楽を愛好する文化が築かれたわけです。そのような歴史にも思いを馳せながら、この名曲集の「歌心」を感じていただければ嬉しく思います。


渡辺玲子


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 寒さも本格的になってきました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 2012年の7月よりFacebookを始めたためか、ブログの方はすっかりご無沙汰してしまっていますが、ここで少し最近のご報告をしたいと思います。

 秋は例年のごとく、秋田の国際教養大学での45時間にわたる集中講義をこなしながら、コンサートも東京をはじめ山口、石川、秋田、名古屋の各県で行いました。先月(11月)には、2年前にアトリオン音楽ホールと日本音楽財団の協力を得て始めた年一回の「青少年のためのレクチャー・コンサート」も3回目を迎え、また秋田県外での同シリーズも始まりました。

 秋田でのこれまでの3回は、第1回「音楽における愛のかたち」、第2回「大作曲家たちの友情と反目」、そして3回目の今回は「音楽の楽しみ」と題して、文学や絵画と音楽の表現における結びつき方や、音楽の根源的なかたちともいえる舞踏との繋がりについてのプログラムにしました。音響の素晴らしいコンサートホールで音楽を聴くということは、CDや身近で音楽を楽しむこととは違い、楽器の音の美しさや魅力と共に、演奏者と聴衆との双方コミュニケーションが特別な空間で経験できるという大切な機会と信じていますので、今後もこの特色を生かした青少年のためのシリーズとして、定着+広げて行けるように努力したいと思っています。

 数日前の12月13日、東京の米国大使館公邸で、TOMODACHIイニチアチブを記念してキャロライン・ケネディ大使主催のレセプションが行われ、政財界の名士の方々やメディアなど、約300人が出席されました。私もエルンストの「夏の名残のバラ」を演奏しました。TOMODACHIイニチアチブとは、東日本大震災後の日本の復興支援から生まれ、教育・文化交流、起業支援、指導者育成といったプログラムを通して、日米の次世代のリーダーに投資する官民パートナーシップです。このプログラムに参加した子供たちも招かれて、立派なスピーチをしていました。

 ケネディ大使は、私の演奏しているストラディヴァリに大変興味を持たれ、演奏後楽器をお見せしながら、その歴史や使われている木材についてなどの説明をしました。その時の写真を掲載します。

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 昨晩秋田にきましたが、すっかり一面雪景色となっています。大学の講義は既に終え、明日の期末試験を残すのみとなりました。年末にはすべて方付けて、東京に戻ります。